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ランペイジ 巨獣大乱闘に突っ込みたいーレビュー・考察・ネタバレ

Netflixに『ランペイジ 巨獣大乱闘』が追加された。AVタイトルみたいなこちらの映画にはドウェイン・ジョンソンジェフリー・ディーン・モーガンが出演しており、映画館で見たかったかと言われるとそうではないが、Netflixで見れるぞと言われるとサラっと再生してしまうくらいの微々たる興味はあった。

『字幕か吹き替えか?』というミーハー映画マニアの間で永遠と語られる不毛な問いにはうんざりしていて、はっきり言ってしまうと個人的には吹き替えの方が字幕よりも楽に映画を読解できる。だからさほど期待してないB級映画やアクション映画なんかは吹き替えを選ぶ。逆にホラーとか『ダークナイト』や『マンチェスター・バイ・ザ・シー』なんかは字幕で見たいと思うのである。なんとなく伝わるだろうか。で、どっちがこうで、どっちがああだ、みたいな論争には宇多丸×三宅隆太監督「日本語吹き替え映画特集!でどちらをもリスペクトした上で結論付けられているのでこの議論はもうやめにして巨乳大乱交の話。

 

でなぜ吹き替え字幕云々の話から入ったかというと、『ランペイジ 巨獣大乱闘』は吹き替えで見たものの、この選択はハズレで逆に集中力を欠いてしまう原因となった。今作には海外ドラマフリークにはおなじみのジェフリー・ディーン・モーガンの出演している。『ウォーキング・デッド』のニーガン役の彼だ。『ウォッチメン』の時のジェフリーも強烈に印象には残っていても、現実での時系列上ニーガンのほうがもっと強烈な印象である。

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いや、つまりそれがなんなのかというとラッセル役ジェフリーの吹き替えが若本規夫さんという大混乱事件。若本規夫さんで一番有名って言ったらドラゴンボールなのかもしれないが、海外ドラマフリークには『プリズンブレイク』のティーバッグにしか聞こえない。全くマッチしないから、ジェフリーもラッセルではなくニーガンに思えてしまうし声もティーバッグに聞こえてしまうしなんかこう喋られる度に集中力が切れそうになる。

このラッセルという登場人物が悪いやつかと思いきやストーリーの進展の非常に協力的で後半は仲間化しているしキャラクターも奇抜なわけではないし、大げさに言えば若本さんの副音声が同時に流れてた〜みたいな感想になってもおかしくない。字幕だったら全く違うキャラクターに思えるだろうか?むしろ字幕版で見ればなぜ若本さんになったか理解できるかもしれないのか?

 

さて、本編に関しては都合良すぎる展開のアソートボックスみたいになっており気になったら負け映画」ってところ。そもそも中指ポーズでジョークかましてケタケタ笑うゴリラがいるかよって話だし、低周波に集まるってなによ?って感じだし解毒剤も体はそのまま気分は元どおりみたいなそんなんストーリー上ジョージが助けてくれる用の解毒剤だし、クレアってあの女だけ都合よく投げ飛ばされるじゃなくてカニみたいに食べてくれるし....って気にしたら負けなところも重々承知の上だけど、どれもこれも後付け感が強くて流せない。都心に集めるためにはどうしましょう?低周波っていうのはどうでしょう?コウモリの細胞が入ってるとかの設定で...みたいな。

 

みんな大好きセレブのドウェイン・ジョンソンは対した肉弾戦は無く、CGの瓦礫の中を駆け回るアクションが大半であった。それでも絶命の危機に必ずハイパワー重量級の銃火器を見つけ操るドウェイン・ジョンソン感はほどほどにあったし、腹部を撃たれても「急所は外れたんだよね」って普通に走り回り飛び回るのもドウェイン・ジョンソンだから気にならない。ついでにヘリコプターに乗り込んで「操縦できるの?」って聞かれたんだからそこは「前にカリフォルニアがダウンしたからね」って答えても誰も怒らなかっただろうに。監督も同じなんだから。地上で必死で逃げ回る恐怖に怯えた一般人をヘリコプターから高みの見物するってのは監督の趣味なんですかね。

 

さて巨獣とは言いつつもアルビノのゴリラ、ジョージは心を通わせるどころか会話しちゃってるわけだから、世紀のクソ映画アイアムレなんとかの犬ばりに動物的お涙頂戴があり、自分だってちょっとは寂しい気持ちになるのかなと待ちに待ったラストシーンも、やっぱりゴリラが中指ポーズでケラケラ笑ってんの違和感しかない。昔手話するゴリラとかテレビでやってたけども。制作費は$120,000,000だそうです。