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「ポーラー 狙われた暗殺者」の考察・レビュー

Netflixの映像コンテンツ事業拡大化は止まらない。というか王者だ。今や全世界で会員数は1億人を突破...1億人が約1000円を毎月払っているってことは、そりゃハリウッド顔負けのドラマや映画が量産できる。それにスポンサーが無ければ攻めに攻めた内容もやれちゃうわけだし配信されたら今すぐ見れて何度も見れる。次から次へと良質なオリジナルコンテンツが提供されワクワクが止まらない中Netflixは、またもやブチ上がりそうなプロモーションムービーをアプリを開いた途端勝手に見せてくる。「なんだこれ面白そう、見たいな」って呟く暇も無く食い気味に「いや今すぐ見れんじゃん!」って再生視聴開始したのは『ポーラー 狙われた暗殺者』

 

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1月25日配信スタートなので見て2ヶ月くらい経ってからの考察。計2.5回ほど見ました。内容はいたって簡単だしさほど考え込む必要の無い設定。

つまり、暗殺を請け負う会社の凄腕暗殺社員が定年するけど、定年後の年金が高すぎて会社が払いたく無い、だから定年する凄腕暗殺社員殺してしまえ、ていう狙われた暗殺者が主人公。設定にこれ以上の奥行きははないし、あの何かと画面に登場する女の子もレオン的な流れになりそうではあるけど、あまり可愛く無いのでどうでもよかったり。

その暗殺を請け負う会社の社長(会長だっけ?)も命令を受けた暗殺部隊もぶっ飛んでいて奇抜なキャラクターで非常に良い。彼ら彼女の紹介シーンもポップでキャッチーで楽しい。この会社にジョン・ウィックのあの組織的な深みは全くなさそうだが、キャラクターのキャッチー加減で記憶に残る。

 

しかしだ、こんな良いキャラクターがたくさん出てくるのかとニヤリと画面を傍観していたら、まぁ次から次へと狙われたほうの暗殺者に殺される殺される。つまりこの主人公強すぎる。ガンアクション、殺陣、スナイプ、肉弾戦、となんでも一流レベル。そのくせ、旧友とは警戒なく握手をし、意識を失ってしまう薬品に簡単に引っかかって監禁・拷問。ただこれは彼が鈍臭かったわけではなく、我々に彼がどれだけ堅忍不抜で肉体強固かと見せつけるための説明シーンが必要だっただけである。あげくの果てには拷問で体にめり込んだガラスの破片を自ら取り出し、それで縄を解くというプロ根性。

 

ここまで強いとハラハラドキドキのアクション映画なのに主人公が強すぎて安心して見ていられる、でもアクション映画の主人公には無敵で強くあるべき、いわゆる強すぎる主人公が見たいのに強すぎるの安心しちゃうアクションスター的ジレンマってのが発生してしまうんだけど、この映画はそのジレンマを割と大胆に回避する。っていうのも敵のキャラクターがあんだけ魅力的なのに早い段階でバンバン殺されていくから、海外ドラマのに慣れていたりすると、びっくりする。「え!?もう死んじゃうの?」って。

さすがに主人公は殺されないだろうけど、いやでもわからないぞこの映画...なんてちょっとばかりの一抹の不安は拭えずある程度緊張感が続くわけだ。続くわけだが、その緊張の糸を引きちぎるかのようなクライマックス。大勢の敵が主人公に襲い掛かり、1vs数百人って絵面、どう乗り切る!?と考える隙もなく指からレーザーを出して背後からガトリングガン2台が暴乱射。15秒ほどで敵陣全滅、エンディング。

 

あとは映画の進行と時折邪魔してたフラッシュバックにはこんな過去がありました、ってありがちな説明を終えたらドローンを使った俯瞰ショットでエンドロール!

 

仲間と家に集まってフライドチキンとビールでワイワイ鑑賞なんて楽しい映画かも。