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モノとポップカルチャー、それっぽく言ったりたまに爆ディス

『レディ・プレイヤー1』スピルバーグが望んでいること。レビュー・評価・考察・解説

「レディプレイヤー1」の画像検索結果大人気のヒット作ってのはなんかこう、いろんは人が様々に解説、レビューしているから書く気が起きない。もちろんどんな映画だって自分なりに感じていることはあるんだけども。もともと正しい評論を書こうとは思ってないし、自由に書きたいことを書ければいいってことで1から作ったアフィリエイトブログをやめてからの、はてなブログなのでビックタイトルの『レディ・プレイヤー1』について少し。

 

そういえばシネマサンシャインで見たんだけど、その時の看板が撮っておくべきだなと思った。レディ・プレイヤー1は歴史的超大作になるような気がしたし、アベンジャーズだったりパシフィック・リムだったり、数十年後に見返したらこの時代の懐かしさみたいのが身に沁みそう。

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レディ・プレイヤー1。言わずものがなディストピアなオープニング。映画としてディストピアほど面白い設定は他に無いと思うが、安全性など皆無に積み上げられたコンテナを住処にし、VRで現実逃避している近未来。この絵面は本当にワクワクする。

1度見たくらいではその半分も把握できないほどに様々なキャラクターが登場するが、やはり日本のアニメ作品から多く登場していて、そのほとんどが80年代ポップカルチャーであるということ。本当に80年代はすごかったんだなと。それらが世界に与えた影響も多大だったはず。

 

80年代の日本のカルチャーから世界が学んだことはすごく多かった。この時代、マンガやアニメが「子ども文化」の枠を飛び出し、大人が楽しむものとして発展していったわけで、単純に戦うだとか、そんな一言で片付けられない作品が多く登場していて、『機動戦士ガンダム』『AKIRA』『攻殻機動隊』などに代表されるように現実社会のあらゆる問題をメタファーとして描いていた作品がたくさんあった。世界の音楽家や映画界に影響を与える存在として認知されていて、言わずものがな現代もそうだ。

とくにフランスは日本のカルチャーに関心がある国として話題に上がるが、Daftpunkが松本零士さんとコラボレーションしたりするのも当時の日本の文化が与えている影響がゼロ年代テン年代でも実感できる。

 

レディ・プレイヤー1という映画の性格上、なにもそれらを深く取り扱うわけではないが、この映画に出てくるものが日本映画や人ではなく、ガンダムAKIRAってことが物語っているんだろう。

果たしてこの映画のメッセージ性に筋が通っているかどうかは、割とどうでもよかった。結局、現実で生きることを大切にしようみたいなことにオチをつけていて、ヒロインのサマンサも普通に可愛いし、逆にこれだけガッチャガチャにいろんなキャラクターが出まくっていれば本筋はシンプルにまとめていおいて、メンバーの素顔の顔合わせもありがちな多人種でキャラ通りの感じってことで深くしすぎない塩梅でよかったんじゃないか。

 

映画内全ての要素をスティーブン・スピルバーグが監督しているわけでなく、若いクリエイターたちが管理している部分もたくさんあるんだろうけど、やっぱりスピルバーグの映画愛とアニメ・映画・コミック・音楽への造形の深さは映画に滲み出ている。

というのも、いまの若い世代の人たちがこの映画を見て何をするかってところで、ハマればディスク版を買って一時停止しながらいろいろ探したいと思う。一度見ただけでは到底把握しきれない数のキャラクターやオマージュやサンプリングが溢れているわけだから。こうやって知らなかった作品に出会って、いま二十歳そこそこの子が40年前の『シャイニング』を見るなんていうのが、スピルバーグが願っていたりすることなんじゃないだろうか。

 

かくいう自分も、『機動戦士ガンダム』なんて全く興味がなかったけれど、この機会に調べたり、見てみたりした。想像と全然違う。戦争がなぜ起こるか、平和とは何か、組織とは自分に何を与えるのか...。

 

スピルバーグ神様である。