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ロスト・イン・スペース、シーズン1のレビュー、考察。

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ロスト・イン・スペースのシーズン1を見終わった。

見始めて間も無い段階で“チャリオット”について書いたが、シーズン1を見終えたので少し書き残したい。

 

 

とにかくブルボンアソート並みに様々な要素が盛りだくさんでお腹いっぱいの気分だ。

効果的なフラッシュバックで、地球はもう人間の住める星では無いことがわかる。

インターステラーやオデッセイのような地球外移住計画、それからスペースコロニー、ワープして墜落する地球と酷似した環境の星。と、まずはSF要素満載だ。

 

かと思えば墜落してすぐに、正体不明の異星人によって創られた高機能なロボット出会う。

エイリアンのような知的生命体ではなく、ロボットだ。

謎が多いが、とりあえずは子供を慕うロボットという構図になる。何度も何度もいろんな映画で見てきた設定だが、何度やられても良い。鉄板すぎる。子供にだけ心を許すロボット、友達だと絆を深くしていく子供。遅かれ早かれ、この二人にはいつか何かしらのドラマが起こり泣かされることはわかった。

ロボットの能力や機体を見る限り、知能レベルは人間よりも遥かに高いはずだ。それなのになんだ。

初めてみた相手がご主人様になるニワトリみたいなプログラム、ベタにキャッチボールを教わったり、砂に絵を描いたり。ベタベタすぎて素晴らしい。子供×ロボット街道ひた走る。誤解が無いように申し上げると、すごく褒めている。

ちょっと子供っぽくて、だけど凄まじいパワーを持っている、どこかチャッピーを思い出した。

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他の生存者たちと合流し、ベースキャンプを設営したあたりから、開拓、冒険という楽しさが倍増する。未知の生物との対峙はSFの醍醐味だし、他の惑星の植物の描写が新鮮で素晴らしい。紫色の芝生、木に生えた奇抜なキノコなどが映り込むワクワク感は正にSF的快感だ。

それにこの星が地球と酷似した環境ということから、専門家たちによる、生息する生物の分析が地球上でのセオリーと共通性が高く、困難と攻略法がわかりやすい。

リアルなのか非現実的なのかわからないが、スッと理解できて楽しい。あの洞窟にいた恐竜みたいな鳥は眼が見えないことに気づき攻略したが、コウモリみたいなものか。いてもおかしくない。ある意味人類が誕生しなかった地球の未来を見ているようでもある。楽しい。

 

 

シーズン後半からはチャリオットが乱用され、クルマ好きやメカ好きには幸せな時間が多かった。ああいうアドベンチャーなギアはたまらない。名劇中車として認めたい。これについては別記事にて語ったので割愛する。

 

途中、タールの沼に沈んだ、それ必要だった?的シーンに目をつむりながらも、ロビンソン一家に立ちはだかる幾たびの困難にはワクワクさせられる。

クライマックスの、センサー無し、レーダ無しの無線支持のみによる大気圏通過宇宙飛行は胸熱な展開だった。機体を軽くしなければいけない、到達までのタイムリミットによる足枷もある。

そして各分野のプロフェッショナルの結束の賜物、ワイルドスピード的なケイパーもの感が漂うミッションインポッシブルも、何はともあれ成功するので、映画的鉄板ルール満載で確実かつ順調に楽しませてくれる。

 

嫌な役回りのドクタースミスも存在感抜群だ。悪知恵ばかり働くのに、時折親切な素振りもする。かと思えば、見ている人に『だと思ったよ』と何度も言わせるほどに裏切るから、話が長引く。

でも、それで良い。そうやってドラマという時間的制約の緩い土俵を大いに利用して、まだ活用されぬ要素もたくさん溶け込ませて欲しいのだ。

A.I.のような“本当の愛”やエクス・マキナのような“人口知能と人間の境界線”、第9地区のような“人権的な問題”、もっと言えばマトリックスのような仮想現実化された星が登場したりもいいんじゃないか。言及する暇が無ければスピンオフすれば良い。

壮大で多角的ジャンルミックスSFとしてシーズン5くらいまで100億円レベルで作り続けて欲しいわけであります。

 

ラストはロボットの星と思わしき光景の前に呆然とし、終わる。次シーズンではロボットの星の知能指数や環境などが明らかになるのだろう。

 

これから先も楽しみであります。